【手芸愛にあふれた漫画】『ある手芸中毒者の告白』の感想を書きました

『ある手芸中毒者の告白 ひそかな愉しみと不安 縫い欲にまみれたその日常』は漫画家のグレゴリ青山氏によって書かれた手芸漫画である。

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参考 手芸中毒 by グレゴリ青山ミグラテール

『ある手芸中毒者の告白』を読んだ感想

 まずこの本は手芸に関する技巧的なことが書かれているわけではない。しかし手仕事ってこんな感じだよなとつい思ってしまう程に、著者の手元を漫画で表したらこんな風なのではと感じてしまう程に、細々とした描写であふれている。それが読んでいてとても面白い。端切れを使って何を作ろうかと思案したり、もう着なくなった着物を分解したり、趣向を凝らして日常使いできるものを作ったり見ていて飽きない。

 著者の実家は家内制手工業でバッグを作成していたらしい。幼少期より手仕事やモノづくりが身近にあったと見る。

 グレゴリ青山氏の漫画全体に言えるのだが、彼女は絵に情報を込めるのがとてつもなく上手いのだ。みんなで集まって刺繍を習う回があるのだが、その場のにぎやかな様子が絵を通して伝わってくる。著者の母が着なくなった着物を分解する回では、着物の糸をほどく音や「この着物着なかったなー」という著者の母のしみじみとした気持ちが紙面を通して伝わってきそうな感じがする。

 この漫画は著者の手芸愛で溢れている。そしてそれが読み手にも伝わってくる。長く愛される作品になるだろう。


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